CHALLENGE PLAZA

広場をつくることが、プラザクリエイトの価値になる。タイムマシンフォト企画で見出したCSRの意義

つくるんです部に所属する名取は、2021年度の新卒採用で入社したニューフェイス。通常業務に加えCSRチームを兼任し、プロジェクトの立ち上げから実務の大半を担っています。社内からも好評だった『タイムマシンフォト』企画を終えた名取に、プロジェクトを通して感じたことをインタビューしました。

名取 舞英(なとり まえ)
大学卒業後、2021年にプラザクリエイトに入社。つくるんです部では商品開発Gに所属し、同時並行でCSRプロジェクトを推進中。学生時代からフィルムカメラを愛用している。部活動では吹奏楽、ダンス、舞台照明などを経験。

※掲載されている情報は、公開日2022年4月15日時点のものとなります。

人が好きだから共感した、「みんなの広場をつくる」というビジョン

プラザクリエイトに興味をもったきっかけは、イメージング事業部の存在です。趣味でフィルムカメラを愛用していたことから、写真業界に興味がありました。フィルム写真は撮っている側の気持ちも、相手の気持ちも、一枚の写真に乗っているような感覚があってなんだかエモいんですよね。

写真というキーワードがフックになりプラザクリエイトの説明会に参加したのですが、写真以外の事業も広く手がけていることを知りました。なぜだろうと思い詳しく聞いてみると、そこには「みんなの広場をつくる」という一貫したビジョンがあって。人と人との豊かなつながりをつくる事業を展開しているところに面白みを感じました。私は人が好きなので、繋がりや人を大事にしている会社っていいなとも思ったのです。

また、選考を進む中で会った社員の言葉がとても印象に残っています。「プラザクリエイトは今、生まれ変わりの時期。新入社員にもいろんなことにチャレンジして欲しい」と言っていて。年次に関係なく、いろんな仕事をやらせてもらえそうな予感がしました。

入社してからはつくるんです部に配属され、商品開発Gで新商品の開発、原料の輸入業務を中心に担当しています。また、営業の一環でワークショップの企画やファシリテーターをやることもありますね。新商品の開発は簡単ではないし、海外企業とやりとりする輸入業務にむずかしさもありますが、先輩たちに助けられながら日々奮闘しています。

CSRプロジェクトには、通常業務とは別でアサインされました。若手に期待していただいているのだと理解して、精一杯頑張ろう!という心持ちで臨みました。

コロナ禍によって加速した高齢者が抱える課題を、写真の力で解決したい

世間ではSDGsが注目されていますが、プラザクリエイトも会社としてどのようなことができるか、私が入社する前から検討されていたようです。社会的課題解決に取り組むための具体的なアイデアを練りはじめたのは今年から。自社のリソースで社会とどのような接点が持てるか? という議論の末、まずは高齢化社会に対する取り組みをする運びとなりました。総務省統計局の調査によると、2040年、65歳以上の高齢者人口は総人口の35.3%を占めると言われており、心身ともに元気に過ごす「健康寿命」を伸ばすことは社会課題の一つなんです。

高齢者の方々は在宅の時間が長いことから、健康の課題やストレスに晒されていることも少なくないと言われています。特にここ数年は、コロナ禍で外部との接点が持ちづらくなってしまいました。私には心臓病を抱えた祖父がいますが、コロナ禍以前に比べ、外に出ることが極端に少なくなったようです。実際に電話でストレスが溜まると話していたこともあって、高齢者の方々を取り巻く問題は、私自身にとって身近な課題でもあったんです。

企画の前提とされたのは、プラザクリエイトのサービスやプロダクトが活用できることでした。写真を使った活動のアイデアを模索していたところ、『回想法』という脳の活性化を促す方法を知りました。写真などをトリガーに昔を思い出すことで、脳の活性化が促進され、さらには楽しい日々を思い返すことで精神的に安定し、心の健康にもつながるそうです。

そうして立ち上がったのが、『タイムマシンフォト』という企画です。企画の主軸には、パレットプラザが提供する「写真修復」をもってきました。傷や汚れ、色あせてしまった写真を約1週間でよみがえらせることができるサービスです。企画の目玉として、お預かりした古いモノクロ写真に色をつけてお返しした上で、思い出を語り合うお披露目会を行うことにしました。写真をフックにお話いただくことで、回想法を実践し、心の健康につなげられればと思ったのです。

通常の写真修復サービスでは、お客様から色合いのご指定をいただいた上で着色作業をすることもあります。でも、今回の企画では色付けはデザイナーに全面お任せしたので、写真の色が本来の色と異なる可能性もありました。だから、どんな仕上がりになるかわからないというワクワクの意味をこめて『タイムマシンフォト』というネーミングをつけたんです。実際の色と違っていたとしても「本当はこういう色だったんだよね」という会話が生まれるのもいいかなと思いました。

企画は、健康寿命延伸を目的とした機能訓練運動を提供する3時間のリハビリ型デイサービス「レコードブック」を運営する株式会社インターネットインフィニティー様にご協力いただきました。「レコードブック」のご利用者向けに体の健康に加え、心の健康を促進するイベントをやらせていただけないかと打診し、ご一緒することができました。


お披露目会では、修復後の写真をスライドにし、昔の記憶を話していただきました。「これはなんの写真?」「このときは、何をしていたの?」など、写真をフックにたくさんのお話が広がり、本当にいい時間でしたね。

とある女性は、亡くなったお母さまのお写真を持ってきてくださいました。お母さまは、女性が幼い時に亡くなられ、ご自身には母親の記憶がないそうでした。色をつけることで、より「やっぱり親子だなぁ」と感じたそうです。

また、とある99歳の男性は、80年前の19歳のとき、戦争にいく前に撮影したというご自身の写真を持ってきてくださいました。もしかすると、最後になるかもしれない自分の姿を残しておきたいという想いで撮影されたのかもしれません。99歳になった今振り返る19歳の自分は、どんなふうに映ったのでしょうか。1枚の写真の向こう側には、たくさんの人生ドラマが垣間見られました。

参加者のみなさまには「古い写真を引っ張り出す機会はなかなかないから、懐かしい写真に触れるきっかけとなってよかった」という感想をいただきました。また、修復写真の出来栄えにも感動していただけたようです。

お披露目会では、今回は写真に色付けをしなかった方も含めてご参加いただきました。すると「そういえば当時はあんな家だったね」「これ、あの頃よく走っていた車だね」など、今回は写真の色付けに参加されなかった方からも、当時を懐かしむ会話が聞こえてきました。過去の記憶をひも解く写真のパワーを感じましたね。

お互いの話を聞き合い、新しい会話が生まれるお披露目会はまさに、写真を通じて「広場」をつくれた瞬間でした。スマートフォンが発達した現代において写真はとても身近で、当たり前の存在となっていますが、写真のパワーは薄れていないと確信できました。社内にもこの様子を報告したところ、好評だったので本当によかったです。

背中を押してもらったのは「その気持ちがあれば、企画は成功するよ」という上司の言葉

プロジェクトの準備期間は4ヶ月程度。CSRチームのうち、高齢者向けのプロジェクトを担当したのは、私と上司の2人だけでした。入社したばかりですし、私はサポート程度かなと思っていたところ、「名取さんの好きなようにやってみて!」というスタンスで。経験値が乏しい中で不安もありましたが、貴重な機会でしたし、「やらせてもらえるなら頑張ります!」という気持ちで取り掛かりました。

また、プロジェクトがスタートする直前、上司とディスカッションをする機会がありました。ざっくばらんにアイデアを出していったのですが、その時間をとても楽しく感じて。私の様子を見た上司は、「そういう楽しい気持ちを持っているなら企画は成功するよ」と言ってくださいました。

プロジェクトがスタートしてからは、企画書の作成やプレゼンなど、やったことのない業務に次々と直面。そんな時も、最初にかけてもらった「成功するよ」という言葉を思い出しながら、成功のイメージを絶えず持つようにしていました。率先してプロジェクトを引っ張っていく立ち回りは新鮮でしたが、チャレンジしてみると案外楽しめたので、よかったです。

一方で反省点もありました。ご参加頂けなかった方の中には、戦時中に写真が燃えてしまって参加が出来なかった方や、「モノクロ写真」に限定してしまったことで企画への参加を諦めてしまった方々がいたそうなんです。高齢者の方々の状況を把握しないまま進めてしまったことで悲しい想いをさせてしまい、想像力が足りていなかったと反省しました。この反省を、今後のプロジェクトに生かしたいですね。

CSRを通じて体感した、会社のビジョン。ワクワクを頼りに、今後も企画をつくっていく

CSRのプロジェクトは、ご参加者の皆様からお金をいただいておらず、会社の売上へ貢献することはできません。ですが、実際にプロジェクトを完遂してみると、売上とは別軸の価値を感じました。

プラザクリエイトのビジョンである「みんなの広場をつくる」を実現するために必要なのは、お客様へ働きかけて「広場」ができるきっかけを提供することです。CSRはその働きかけのひとつだと認識しています。今回行ったイベントでは、写真を軸に人が集まり、そこからコミュニケーションが生まれて、まさに「みんなの広場」が出来ていました。CSRの活動を通じてプラザクリエイトの根幹を体現していくことこそが、会社にとって価値あることかもしれないと感じました。私自身、喜ぶお客様の顔を近くで見ることができ、仕事へのモチベーションが上がりました。

今後はCSRプロジェクトをどのように存続させていくかが課題です。『タイムマシンフォト』はコスト面の課題が大きく、やり方を再検討することが求められています。一筋縄ではいきませんが、『タイムマシンフォト』の企画を通して学んだのは、気持ちが乗ってこそいい企画ができるということ。その実感をたよりに、じっくりと慎重に答えを探っていきたいと思います。実は今、新たな企画を立ち上げ中です。

それから、入社してから1年が経ち、後輩が入ってきました。私も先輩になったときは、チャレンジするメンバーの背中を押してあげられる人でありたいと思っています。私自身、アイデアが豊富で頼れる先輩たちに囲まれて、惜しみなくチャレンジをさせてもらってきたので、そんな文化を継承していけたらうれしいです!

【編集後記:広報室より】
入社1年目にして取り組んだ、CSR企画。活動を通じて、プラザクリエイトのビジョンである「みんなの広場をつくる」の意味を自分なりに理解し、前に進んでいく姿はとても頼もしかったです。ゼロから生み出したタイムマシンフォト企画を通じて得た、企画を生み出すワクワクや葛藤は、きっと今後のキャリアの財産になるはず。発案中だという新たな企画も含め、これからの名取さんのチャレンジも楽しみにしています!

プラザクリエイトのCSR活動

「みんなの広場をつくる」をコーポレートビジョンに掲げるプラザクリエイトでは、今後も地域社会の幸せ拡大活動を推進してくれるパートナーとの協業の可能性を追求して参ります。そして、事業や社会貢献活動を通じ、豊かな人と人とのつながりを増やしていきます。

プレスリリース