全国に約240店舗を展開する写真サービスのパレットプラザは、多くのフランチャイズオーナーに支えられています。今回のチャレンジプラザでは元プラザクリエイト社員で、現在は埼玉のパレットプラザ3店舗のオーナーを務める浅見友美さんにインタビュー。「写真が好き」という気持ちからアルバイトを始めて以来、23年間、写真プリント業界で歩んできた軌跡とは？ お話を聞きました。
※掲載されている情報は、公開日2022年10月25日時点のものとなります。
20代前半、写真が好きで飛び込んだ写真プリント業界
学生時代から、写真が好きでした。所属していたバンドサークルで、ライブや打ち上げの写真を撮る係をしていたんです。特別に写真が得意というわけでもないし、いいカメラを買うお金があったわけではないけれど、当時全盛期を迎えていた『写ルンです』で、思い出の瞬間を切り取るのが楽しくて。夢中でシャッターを切ってました。
20代前半、写真が好きだったこともあり、別チェーンの写真屋でアルバイトを開始。好きな写真とつながっていられる喜び、接客の楽しさを感じる日々を過ごしました。
2004年頃、学生時代の先輩に「パレットプラザ西友東松山店の店長を探しているんだけど、やってみない？」と声をかけられました。写真業界でキャリアを築いていきたいと思っていた矢先に舞い降りた、生まれ育った町の写真屋からのオファー。なんだか運命を感じ、挑戦することにしました。そしてその後10年間、クルー店長（※）として働きました。
※プラザクリエイトでは、アルバイトの社員をクルーと呼んでいます。
2014年、プライベートが落ち着いたタイミングで、正社員になりました。当時のパレットプラザでは、「Photo & More」というコンセプトで、店舗のリブランディングをしている真っ最中。単なる写真屋ではなく、充実した商品ラインナップでお客様のライフスタイルに寄り添い、何度も訪れたくなるショップへと変革しようとしていたのです。私は現場のマネジメントから、新店の内装、オープン準備、クルーの育成などを担いました。
クルー店長だったときには、目の前の一店舗だけのことを考えていましたが、マネージャーや統括店長として複数の店舗を担当するようになり、より広い視野が求められるようになりました。クルー店長時代には見えていなかった側面が見えるようになり、たくさんの人に支えられてお店が成り立っていたことにも気付かされましたね。正社員になって7年、20店舗以上のお店に携わりました。地域性も関わる人も異なるさまざまな店舗で経験を積んだことは、その後のキャリアの大きな財産になりました。
パレットプラザのオーナーとしての再スタート
2021年、会社の変革に伴い、このまま社員として残るか、それともオーナーとして新たなスタートを切るか、岐路に立つことになりました。どちらの道を選ぶかかなり悩みましたが、その時に思い出したのは、統括店長時代にご一緒したオーナーさんたちのことでした。会議や飲み会でお会いするオーナーさんたちは、自分のお店や仲間のことを誇らしそうに話していて、とても生き生きして見えたのです。私自身、店舗勤務が長いこともあり、やはり現場が好きでした。オーナーの道を選んで、自分のお店に心を尽くす方が、より頑張れるイメージが浮かんだのです。
けれども、オーナーになるということは、経営者となり、他者の人生にも責任を負うということになります。自分が経営者になることなど、想像すらしたことがなかったので、本当にできるんだろうか？ と不安でした。責任の重みを痛いほど想像できたからこそ、なかなか覚悟を決めることができなかったのです。
そんなとき、背中を押してくれたのは、古巣である西友東松山店の存在でした。西友東松山店には、かれこれ20年の付き合いがある仲間がいます。もし仮に、私がオーナーを引き受けなかったら、将来的にお店がなくなる可能性もゼロではないかもしれないと考えたとき「みんなの働く場所を守り続けたい！」という気持ちが湧いてきたんです。
決断には長い時間を要しましたが、2021年2月、オーナーとして再スタートをきりました。埼玉県にある3店舗の、西友東松山店、西友新所沢店、西友小手指店と共に歩むことになったのです。
従業員から経営者へ。新たな挑戦の中でも、現場主義を大切に
オーナーになってからは、さまざまな書類や申請関連など、経営サイドの仕事に奮闘しています。特に、初年度の年末調整は大苦労。知り合いのオーナーさんに助けてもらいながら、なんとか締め切りまでに提出にこぎつけましたね。
経営の仕事に向き合いながらも、私自身もお店のシフトに入り、現場もやっています。店頭に立つ際に大事にしているのは、常に商品知識をアップデートしておくことです。パレットプラザでは写真以外にもさまざまな商品やサービスを扱っているので、カタログを読み込んだり、実際に商品を使ってみたりして、理解を深めています。「〇〇がほしい」と来店されたお客様のお話をよくよく聞いてみると、全く別のものをお求めの場合もあるんです。商品やサービスを隅々まで理解していて初めて、ベストな提案ができると思っています。
また、自分なりにクルーのマネジメントにも取り組んでいます。例えば、私の方で組織として達成したい目標を提示した上で、クルーにそれぞれアクションプランをつくってもらっています。そして私からフィードバックさせていただき、やるべきことをすり合わせていきます。数字の進捗はすべて、3店舗のクルー全員が入っているグループチャットで展開し、全公開しています。いい意味で3店舗がライバル意識を持ち、互いに刺激し合って成長していけたらいいなという思惑です。
そんな取り組みの成果もあってか、先日、社内で行っている各店舗を評価するポイントシステムで、前月の240%アップを達成することができました。客観的に見ても、3店舗の基礎力が底上げされていることがわかり、嬉しかったですね。お店づくりに正解はないけれど、頼れる仲間たちと強いチームをつくっていきたいと思います。
また、いいお店づくりにはクルーとの信頼関係が不可欠なので、積極的にお店に顔を出し、対面で話す機会を作っています。小さなことでも気軽に相談してもらえるようなオーナーでありたいと思いますね。
写真やTシャツ印刷を通じ、地域のお客様と共に歩んでいく
地域に寄り添った運営を掲げるパレットプラザなので、店舗ごとに方針を変えています。たとえば、ファミリー層も多い小手指店では、家族の思い出をカタチにできるフォトグッズや、パスポートや就活時に必要な証明写真を押し出しています。一方、駅前のロータリーにある新所沢店では、フィルム現像が人気。会員様向けに発行するクーポンでは、『写ルンです』の情報をお届けするようにしています。
生まれ育った地元である東松山店では、地元のネットワークを活かしながら、地域のみなさんのお役立ちを目指しています。地元企業や飲食店からのご依頼が多いのは、『WeTy(ウィーティー)』という、1枚からご注文可能なオリジナルTシャツのプリントサービスです。プロの専任デザイナーが無料でデザイン案を3案作成するので、特別なデザインの知識がなくても、気軽にTシャツをつくれるのが人気のポイントです。自社工場の和光プリントセンターで印刷をしているので、品質もしっかりしています。
口コミが広がり、最近ではお客様経由で新たなお客様を紹介いただくこともあります。Tシャツ印刷を通じて、地元の飲食店や店舗のお力添えができるのは、とても嬉しいことですね。
一方、西友東松山店はまだまだ認知度に伸びしろがあると思っています。実際、Tシャツをお届けに行った際に雑談をしていると、「え！そんなサービスもやってるんだ！ じゃあこれもお願いしたいんだけど……」とご相談をいただくこともあるんです。クルーたちも全員地元の人なので、パレットプラザができることを広く発信し、地元の発展に貢献していきたいですね。
「写真が好き」という気持ちの延長線上にある未来を信じて
写真プリント業界に入って、23年を迎えます。この20年、市場は大きく変化しました。写真を撮るデバイスが、カメラからスマホに変わったり、コロナの影響で写真を撮る機会自体が大幅に減ってしまったりと、激動でしたね。
市場が変わる中で、個人的にも大きな変化を乗り越えてきました。アルバイトから正社員、そして社員からオーナー。23年前には全く予想していなかったキャリアになりましたが、こんなにも長い間、写真プリント業界で働いてきた原点にあるのは、学生時代から変わらない「写真が好き」という気持ちなのだと思います。
これからますます変化の早い時代に突入すると思いますが、目の前のお店や仲間を大切にしながら、「写真が好き」という気持ちを貫いた先にある新たな未来を信じ、オーナーとして精進していきます！
【編集後記：広報室より】
アルバイトから店長、店長から社員、社員からオーナーといくつもチャレンジを重ねてきた浅見さん。その時々によって、求められる役割や考え方も違うなか、真摯に目の前の課題に向き合って、乗り越えていっている姿が素敵でした。
また、お話の中で印象的だったのは、地元に貢献したいという想いと一緒に働いている仲間への想い。浅見さんの原動力になっているのだなと感じました。これからもご活躍を楽しみにしております！
